外資戦コン最速昇格の秘訣と採用の裏側

徹底したケース対策で外資コンサルに入社。その後も爆速で昇格を繰り返した筆者が就活やその後の成功について語ります。

マッキンゼーを落ちた私が泣きながらボスコンに受かった話(その9)

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インターン初日

ボスコンのインターンのために、赤坂見附に向かう。

思えばマッキンゼーを落ち、その後ベルガーなども軒並み落ちた自分が、なんとベインの内定を携えながらボスコンのインターンに向かうことができるとは。感慨深い物だなあ。

 

到着するとすでに自分を除く17名の学生は大きな丸テーブルを囲むように座っている。独特の張り詰めた緊張感が漂っている。

だが、自分にはベインの内定という最強の武器がある。遥かな上空から大地を見渡す鷹のように、着席しながら優雅にメンバーを観察する。

 全員あのケース面接をくぐり抜けてきた猛者達。顔つきも凛々しい。自分の隣はAKBの高橋みなみ似の女性院生(確か早稲田だったような記憶。)である。軽く会釈をする。

 

コンサルタントが入ってきて我に返る。

軽い挨拶のあと、インターンの概要を説明。内容を整理するとどうやら

  • 二人一組でワンチーム
  • 期間は木曜開始の4日(土日を含むと6日)、中間報告が2日目に、最終報告が4日目にある
  • チームには二人のメンターが付く
  • ある業界の企業一社につきワンチームがあてがわれ、個別の戦略を作る
  • 与えられた情報は5年分の有価証券報告書、担当企業の5年分の記事検索結果(日経テレコンの記事検索)

自分はお隣の女性院生と組むことに。

ちなみにメンターの方も中途採用。ゴールドマンサックス→ボスコンらしい。経歴がヤバすぎるw

 

「ではあとは各自自由に時間を使ってください。質問はメンターにお願いします。」 

 

話の進め方をメンターと相談する。メンターのオススメとしては。

まずざっくり資料や市場を調べて内容を把握

仮説を考える

それを検証するように追加で調査を行う

 

なるほど。調べることに時間を使いすぎず、仮説をまず考える。新しい概念だ。

高橋みなみ似(以降「高橋さん」とする)も納得し、その方向で進めることにする。

 

用意された部屋に移動し、まずは資料を読み漁る。

ちなみに自分達の課題は「ある大手アパレルブランドの戦略」

自分が自社について、高橋さんは競合について調べることに。

 

まずは有価証券報告書とやらを読もうか

 

…全然分からん。どこをどう見れば良いのかも分からん。

2時間くらいかけてようやく売上と利益を書きだす。売上は横ばい、利益も横ばいである。利益率は10%程度だ。だからなんだ。笑

高橋さんも苦戦しており、「競合が最近新ショップをオープンした」とか「低価格なブランドバックが売れてる」などの情報しか分からない。

 

始めてから気づくが、これはむちゃくちゃ難しい。ケースは頭の中で完結する空想の世界だが、実際に世の中にあるデータや情報を探し出すことにまず時間が鬼のようにかかるし、今の時点ではどんな情報が必要なのかも分からない、、、

 

このままではヤバいと思った自分が、情報収集をストップしてまずは何を調べるか整理しようと説得。高橋さんもオーケー。

アパレルブランドを調べる切り口を二人で考える

  • 商品カテゴリー(ジュエリー、バック、服、小物)
  • 男女
  • 価格帯
  • 地域
  • 提携小売(どの店に入っているか)

それっぽいのはいっぱい出てくるが、それぞれどう調べたらいいか分からない。時間はすでに4時である。途方に暮れる。

 

そこにメンター登場。

すかざす泣きつく。 

 

メンター:やりたいことは分かるけど、今出してくれてる軸それぞれにデータで分析しようとしたら、絶対時間が足りない。どの軸で戦略を考えるのかはエイヤで決めて、それに沿って分析していかないと

アセルス:なるほどですね。ちなみのどの軸が大事だと思いますか?

メンター:それはチームで話し合ってください。

アセルス:ですよね…

 

どれか決めよう。と思った矢先にディナータイム。初日はボスコンの1年目の方々と懇親会ディナーが入っていた。

正直もっと作業したい…ディナーとか時間の無駄だなあと思いつつ、せっかく来てもらったので、行かない訳にも行かず。

 

ディナーでは色々と学生時代の面白い話もしつつ、インターンの話題に。

アセルス:皆さんはどういう部分が評価されてインターン突破したと思いますか?(我ながらこれは良い質問だった。)

社員Aさん:私の場合は行動力かな?街歩いている人に質問して、簡易的なアンケート取って、N=10だけどサーベイ結果として出したりした。それがウケたかな。

アセルス:ふむふむ(これは私達もフィールドに行った方が良いかもな)

社員Bさん:自分はとにかく色んな人に話をぶつけてみたかな。それで得られたことは大きかったと思うよ。

アセルス:歩いてる社員さんに質問しても良いんですか?

社員Aさん:全然良いよー!ちゃんとインターンで〇〇について聞きたくて、って言えば答えてくれるよ。

アセルス:(さすがボスコンの社員さん。心が広い。)

 

かなりの収穫を得た。これはあと四日間に大いに活かせる。

高橋さんは家が遠いらしく、終電が早いので9時頃には帰宅。自分は遅くまで残りたかったので、許可を得て深夜まで色々と考えることに。

 

現実に戦略を考える難しさと、ボスコンの懐の深さを感じながら、初日が終わる。

二日目

 今日の夜には中間報告があるものの、何も出来ていない状態。

昨日の夜になんとか店舗数や売上地域、価格帯などの情報だけは調べたが、戦略の軸となる分析などは全く手付かず。

めちゃくちゃ焦るアセルス。

高橋さんは涼しい顔で黙々と調べている。

 

昨日聞いた成功体験を真似て、自分も実際の顧客に意見を聞いてみることに。

自分の母親や女友達に対して電話をかけてブランドについての意見を貰うことにした。

 

母:あーそのブランドなら妹(私の叔母)が詳しいよ。なんか特別メンバーみたいなのがあるらしくて。聞いてみれば?

 

叔母:あーそのブランド好きなんよ!今特別会員で、年に4回くらい招待されて、そこで結構高いジュエリーとかばんばん売れてるよ!

アセルス:え?そうなの?みんなどれくらい買ってる?

叔母:ん〜数十万位は買ってるんじゃない?人数もかなりの規模だしね。

アセルス:(マジか、年間に直すと売上の1/3くらいじゃん。。。)

叔母:会員はある程度選ばれた人しかなれないから、収入とか見てるのかも!

アセルス:なるほど。ありがとう!また聞いてもいい?

叔母:いつでも良いよ〜

 

電話を切ってガッツポーズ

これはめちゃくちゃ面白い内容。その後記事検索などでも情報を確認し、整理するとこういうことだった

  • 1000人ほどの「特別会員」は年に4回開催される特別販売会場で一人数十万円ほどを購入し、数十億の売上になっている。
  • これはブランド売上の1/3を占める非常に大きな収入源であり、「特別会員」の戦略を他のブランドも模倣しつつある。

急いで高橋さんに共有し、高橋さんも「コレはすごい!」のコメント。一方高橋さんも午前中色々と考えた結果、「高齢者」のブランド購入が増えているというトレンドを発見していた。

それぞれの考えを合わせて。戦略の軸は二つ

  • 富裕層をターゲットとした「特別会員」を増やす戦略
  • 高齢者をターゲットとした戦略

そこにメンターが登場し、今朝の情報を共有。

「それはグッドインサイトだね。」とよく分からない褒め方をされる。

 

資料のまとめ方をメンターと相談し、午後はひたすらパワーポイント。

本番の中間発表に臨む。

 

中間発表

中間発表では自分たちがトップバッター。プレゼンの流れは以下。

 

  • 自社ブランドの過去5年の業績が横ばい
  • 顧客セグメント別の売上において、富裕層の割合が大きく、高齢者割合は少ない
  • 富裕層獲得についての競合の動き
  • 高齢者獲得についての競合の動き
  • 今後はこの二つの戦略を軸に考えること
  • ネクストステップ

 叔母さんからの電話の内容をふんだんに使い、「現場で調べた」感をしっかりと出した。居並ぶ他チームのメンターからも様々な質問が飛び交い、かなり盛り上がったプレゼントなった。

 

その後他チームのプレゼンを聞くが、正直完成度は低い。みなネットで調べた内容をパワポに落としているだけで、特定のセグメントに対する情報や目線がなく、パッとしない。

やはり「特別会員」の内容を組み込めたことで大きく変わった。

叔母さんサンキュー!!

 

結果的に自分たちのチームのプレゼンがかなり良く映ることとなり、プレゼン後メンターから「ひいき目なしに、君らのプレゼンが一番良かったよ。」と言われる。

高橋さんとも思わずハイタッチである。

 

「これでボスコンも行けるかもな」と内心思いながら二日目は終了したのだが、ここから最終報告までに地獄を見ることになる。。。

 

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